vol 1505 2008.6.25
今日、モンゴルからの留学生との交歓会が行われた。会の詳細は、『おーい、なかま達』参照。
ここでは、モンゴルからいろいろなことを発想してみよう!
● モンゴルと言えば・・・?
交歓会の前に『木幡マンの地理講座 モンゴル編』や『モンゴルクイズ』・・・。
しかし、モンゴルという国についての基本的知識がない。
「朝青龍!」
「ゲル」(中国語ではパオ。遊牧民のテント)
「チンギス・ハーン」
「草原」
こんなところしかでてこない。
今から27年前『焼肉のたれ・ジャン』の授業をしたことがある。同じ仏教圏にありながら、韓国には肉を食する習慣があり、日本にはない・・・。何故か・・・?
モンゴル→チンギス・ハーン→元→元寇・・・。これをベースに考えていく。1200年代後半、一大帝国「元」が日本を襲撃。この時、当時の朝鮮半島の国家「高句麗」はすでに侵略されていた。国家の侵略は、食習慣までも変えていくというお話。この点に関しては『焼肉と唐辛子』板倉聖宣(仮説社 1988)に詳しい。でも、授業化したのは、ぼくが8年ほど早い。
● シンキングマップ的に「モンゴル」のイメージをどんどん発展させる
モンゴルといえば「遊牧」→肉食・・・。肉に関連させていろいろ考えてみる。こんな風にいろいろイメージを連鎖させていくことが授業作りのヒント。
最近読んだ本の中に肉食に関するページがあった。
※『十五少年漂流記』への旅 椎名誠(新潮社 2008)
それによると「肉のエラサ(偉さ)」のランクは、国によって違うそうだ。南米チリのパタゴニアあたりで肉のランクを聞いてみたら「そうだねえ。やっぱり羊の肉が一番だなあ。次に牛、豚、鶏肉という順番かねぇ」と返ってきたそうだ。日本では牛が一番で羊のランクはきわめて低い。ヨーロッパでは鹿肉の地位が高く、カナダ北極圏ではカリブーの肉が一番で次が鯨、アザラシ。
モンゴルからの留学生・バギさんにモンゴルの肉のランクを聞いてみた。
羊・山羊・牛・馬・ラクダ・・・の順、豚や鶏は余り食べないそうだ。そして、豚や鶏は値段が高いとのこと。遊牧に向いているかどうかで食肉の習慣も違ってくるということだろう。
『モンゴル人の価値観からいうと、ケージの中に入れて人為的に定期的に餌をあたえなければならないのでは人間の労働量が増えて大変ではないかと考える。すべて管理した飼育システムで作り出す豚肉や鶏肉というのは彼らに理解しがたい筈だ。逆にいうとかれらはケージの中で生を終えるブロイラーの命のある肉と見ないだろう』(前掲書 p121)