VOL 1528 2009.06.17
『いろんな世情がありまして、人はそれぞれ惑います・・・』(5 )
エピローグ
さて、友人高田渡の葬儀でのこと・・・。身内・仲間内の葬儀との事だったが吉祥寺カトリック教会には、口コミで400人もの参列者が...。
70年代前後のミュージックシーン、世情を知っている人にはおなじみの顔ぶれがたくさん集まった。シバ、大塚まさじ、加川良、三上寛、友部正人、中川五郎、なぎら健壱etc...etc...。
筑紫哲也(彼も故人になってしまった)の挨拶の後、多摩葬儀場へ。彼の思い出を肴に、ここから延々と飲みつづける...。
高田渡なじみの『伊勢屋』、そしてライブハウス『のろ』へ。
加川良が叫ぶ。
「『渡を先に逝かせたのは誰か!』とぼくは言いたいよ。あいつは酒もタバコもやらなかったんだ。だいたい、ライブのステージで寝ちゃうなんて伝説、要するに酒に弱いってことなんだよ。ある時、『おれがタバコを吸うとしたら何が似合うかなあ?』って聞くから、冗談に『缶ピーかなあ?』ってこたえたら、翌日、吸えもしないのに缶ピーをぷかぷかやってるんだよ。そういうやつなんだよ」
息子の漣君も言っていた。
「これから高田渡」はどんどん神格化されていくと思うんだけれど、本当は実に困ったオヤジなんですよ。そういうことも含めて、高田渡を見てほしい」
その通りだと思う。実像と虚像のはざまで、ひとはある程度の演技を強いられて生きていくのかもしれない。世情もこうして変化していく・・・。
いろいろな切り口で世情を見てきた。プロローグで紹介した教育問題にもう一度もどってみよう。
『学校のせんせいになってパート2』
焦りすぎて
気持ちをどこかに置いて来ちゃったよ
スピードについていけなくて
脳みそがショートしちゃったよ
しなやかな心と
脳はどこへ行っちゃったの
はりぼてパワーです
流動的な教育シーンの中、受難を受けているのは教師だけではない。世界的不況の中、教育における階層化が進んでいる。教育経費を潤沢にかけられる家庭とそうでない家庭・・・。中退を余儀なくされる高校生・・・。この世情をどうすればいいのか。今も昔も変わらないはずなのに・・・。教員にも子ども達にも幸多からん事を願う・・・。
『こどもたちから』
男の子が言った
先生やめろ
女の子に言われた
あんたなんか先生でもなんでもないから
お母さんから聞かれた
6年の担任はどうなるんでしょうか
今の自分がダメなことは わかる
放課後 教室で
女の子が出してくれた日記を読んだ
6年生になっても 担任になってください
なみだが出た