NO 1558 人生の贈りもの 2010.01.19
昨日、『明治という時代』について本の少し書いた。この時代にある程度匹敵するのは、1945年以降の数年間、敗戦後の日本社会だろう。そのことを朝日新聞夕刊『人生の贈りもの』というコーナーで再確認した。著名人が数回にわたり、自分の過去を振り返る。
今回は、作家の藤本義一氏。
闇市で横流し品をさばく中学生時代、旧陸軍の演習場でリボルバー32口径と実弾30発をみつけ、さばいたところ、それを買った男が銀行強盗・・・。中学一年生で全国指名手配になったそうだ。当時のお金で50万円ほど100円札でもって逃亡。金が尽きたところで自首。その後改心して高校から大学へ。
「自転車で往復できて授業料が安くて、先生の数が多くて学生の少ないとこへ行け」という親のすすめで当時の浪速大学、今の大阪府立大学に合格したそうだ。
これまた戦後のどさくさで何でもありの時代を象徴している。
この時代をどう生き抜いていったかで、その後が大きく変わる一つの典型として次回の談話を楽しみに待ちたい。