デイリーフレネ

NO 1661 号泣で変えろ!己の人生観・・・(5)

号泣で変えろ!己の人生観・・・(5)

―『男はつらいよ』&『北の国から』


エピローグ

 

何もここで映画論を語っているわけではない。

この3月、転倒し右頬と右肋骨を骨折した。右頬の骨折のため、神経が圧迫され、右上唇が麻痺している。時間の経過で少しずつ良くなると医師は言うけれど、68歳の今、十分気がめいり、今一度、人生を考える時が来たと感じた。何をする気力もなく、『男がつらいよ』全48巻と『北の国から』全32話を観続けた。そして、号泣した。涙もろい方で、ちょっとしたことで涙が出る方だが、これほど号泣し続けたことは、初めてだ。


泣くという行為は、悲しみ・恐れ・悔しさ・驚き、そして楽しさの中から自然とあふれ出てくるものだ。日常の中での号泣は、めったにある事ではない。だから、仮想現実としての映画の中で号泣するのだ。


二つの作品をシリーズで全て鑑賞し、感じたことが幾つかある。

それは、人生の中でアンケートや流行に左右され、中庸の中を一喜一憂するような生き方ではなく、市井の中に生きている人の現実の中にある様々な様相、それをどうピックアップすれば、我が身への刺激になるのか・・・。それを上手にピックアップしてくれるのが映画やドラマの脚本家であり監督であるということ、そして感極まった時には自然のままに号泣し、そこからスタートしていけばいいというシンプルさ。それで、骨折のことも、残り少ない行く末のこともあまり気にならなくなった。二本のシリーズを鑑賞することで、骨折をポジティブに考えることもできた。


もう一度号泣してみよう。勇次の乗る列車を追って走る蛍のシーンに流れてくる曲は、皮肉にもこの歌だった。

 

かたい絆に 想いをよせて
語り尽くせぬ 青春の日々
時には傷つき 時には喜び
肩をたたきあった あの日

あれから どれくらい たったのだろう
沈む夕日を いくつ数えたろう
故郷の友は 今でも君の 心の中にいますか

乾杯! 今君は人生の 大きな 大きな舞台に立ち
遥か長い道のりを 歩き始めた 君に幸せあれ!

キャンドルライトの 中の二人を
今こうして 目を細めてる
大きな喜びと 少しのさみしさを
涙の言葉で歌いたい

明日の光を 身体にあびて
ふりかえらずに そのまま行けばよい
風に吹かれても 雨に打たれても
信じた愛に 背を向けるな

乾杯! 今君は人生の 大きな 大きな舞台に立ち
遥か長い道のりを 歩き始めた 君に幸せあれ!

乾杯! 今君は人生の 大きな 大きな舞台に立ち
遥か長い道のりを 歩き始めた 君に幸せあれ
!

                by 長渕 剛

 

人生、そんなに悪いものじゃない。それは、確かに2018年春のできごとだった・・・。

                         (完)

 

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