デイリーフレネ

vol 1504 2008.6.17

● ワークショップに参加しませんか―「対話形式」によるテクストの読み


ジャパンフレネが年2回主宰しているワークショップ。2008年夏の内容が下記のように決まりました。


第21回 BASICワークショップ 
        対話形式による「読み」の授業 
                        主催:授業作りの会「ベーシック」


1999年からスタートした授業作りの会「ベーシック」のワークショップ(合宿研究会)も、はや21回を迎える事になりました。この間、合宿および月例研究会(新宿・湘南・山梨)で検討された授業プランは数百本の<授業レシピ>として共有財産になっています。


今回は、フィンランドメソッドでおなじみの北川達夫さん(文字・活字文化推進機構調査研究委員 日本教育大学院大学客員教授)を三回目のゲストとしてお迎えし、国語教育に新風を巻き起こす「読み」の授業のワークショップを行います。お誘い合わせのうえ、ぜひ、ご参加下さい。


日時:2008年8月2日(土)午後1時集合~2日(日)正午解散
会場:宿坊「大善寺」山梨県甲州市勝沼町勝沼3559 電話0553-44-0027
アクセス:中央高速道・勝沼インター降りて約2分。無料駐車場あります。
    または、中央線「勝沼ぶどう郷」駅下車、タクシーで5分。
費用:参加費-5,000円 宿泊費-9,000円(1泊3食 飲み放題)の計14,000円
    宿泊なしの方は、参加費(5,000円)と夕食代(3,000円)の計8,000円
   夕食不要の方は、参加費(5,000円)
※ お子様の参加も可能です。ご相談下さい。

 

● 参加募集人員:20名(先着順)


● 申し込み方法 
  7月25日(金)までにジャパンフレにお申し込み下さい。
  メール、電話、ファックスでの申し込みも可能です。
  〒160-0022 新宿区新宿2-8-17 SYビル6F  URL http://www.jfreinet.com/
  Tel 03-3352-3135 Fax 03-3352-3039   sinjuku@jfreinet.com

※ 参加費・宿泊費は当日集めさせていただきます。
8月に入ってからのキャンセルは、お引き受けできません。
後日、参加費を請求させていただきます。

 

◆対話形式による「読み」の授業 ◆
                    8月2日(土)午後1時30分~5時00分

 

読みに対するフランスの思想家・文芸評論家バルトの見解は次のようになります。

 


【テクストの快楽】
バルトが提示する「テクスト」の読みとは、その主題や内容といった唯一の意味を求め
る閉じられた営みではなく、完結することのない<遊戯>=生産行為である。つまり、読む側が表現そのものに参加し、多様な意味ないし意味の不在を見出す言語活動、あるいはその方法論的な場といえる。そしてそれは、言語を操りながら言語に拘束されて生きている私たちが、「言語の外にしかいない」自由を手にするための、言語により言語を転倒させる試みである。
(『現代思想の冒険者たち』講談社)

 

この観点から桃太郎を読むと、桃太郎=正義・・・も、はなはだ怪しくなってきます。


「桃太郎ってどんな人?」
「正義感の強い人」「元気な子」「悪い鬼をやっつけた人」
桃太郎に関しては、定型的な理解が多い。
「誰か、桃太郎のお話をしてよ」
「昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました」
そして桃が流れてきて男の子が生まれる。悪い鬼を征伐に行く。と、まあこんなところ・・・。
「ところで鬼ってどんな悪いことしたの?」
「桃太郎は、鬼が悪いことしたのを実際に見たの?」
すでにこの辺からあいまい・・・。
「桃太郎って一方的に攻め込んでいくんだよね」
「鬼との話し合いも無しか・・・」
あいまいな風潮に立脚し、なんの調査や対話も無く一方的に鬼を攻撃する桃太郎って一体どういう人なんでしょう?


対話形式による「読み」の授業は、『桃太郎』を完結したものとして読むのではなく、「対話」をベースに無意識の思いこみ(バイアス)を浮き彫りにし、それに疑問を投げかけることによって、新たな視点を創造していきます。そのためには、テクストに即した多面的な発問が対話を導く指針になっていきます。
実際に発問を考えていきながら、新しい読みの方法を模索していきましょう。


● ゲスト:北川達夫さん(文字・活字文化推進機構調査研究委員)
1966年東京生まれ。早稲田大学法学部卒。ヘルシンキ大学歴史言語学部等に留学。外務省入省。フィンランド日本国大使館在勤・エストニア日本国大使館兼勤後、外務省退官。現在は日本教育大学院大学客員教授、(財)文字・活字文化推進機構調査研究委員。日本とフィンランドをはじめ、各国の教材制作に携わるとともに、日本では全国各地の学校でグローバル・スタンダードの言語教育を指導している。主著「図解フィンランド・メソッド入門」「フィンランド国語教科書」(いずれも経済界)「ニッポンには対話がない」(三省堂)その他、教育関連書、翻訳多数。

 

◆ 懇親会&オールナイト ◆
8月2日(土)午後6時~

 食事やお酒を楽しみながら、授業作りや教育に関わる話題について語り合います。


◆ 授業レシピの発表と検討 ◆
                       8月3日(土)午前9時30分~正午
                                
新しい授業プランの発表会です。どのジャンルでも構いません。
発表希望者は、資料を30部ご用意下さい。

◆ オプション―大日影トンネル遊歩道ツアー ◆

 会場の大善寺近くに中央線旧大日影トンネルがあります。廃線になったトンネル(長さ1.4キロ)を勝沼駅まで歩くことができます。


お友達や同僚の皆さんをお誘い合わせの上、ぜひ、ご参加下さい。
よろしくお願いいたします。


日々の状況や教育エッセイをJF代表・木幡が執筆。
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