デイリーフレネ

NO 1575  今出来ること・すぐできること・ここでできること 2011.4.15

久々、本当に久々・・・。なんやかんやと、半年も更新をサボっていました。子ども達の日常は、『おーいなかま達』でわかるものの、それだけでは、木幡の心的状況が伝わらないとのお叱りを受けました。昨年末に左薬指裂傷。そして、それが治ったと思いきや2月には右手甲の骨を3本骨折。手作業がままならないまま3月11日の大震災・・・。鬱積した毎日を過ごしていました。

 

が、ここで一年発起!ブログを書くことの身体化復活を目指します。

 

● 大震災後、何が出来るか・・・

未曾有の津波による大被害・・・、被災地の状況を見るにつけ、胸が痛む思いです。3月11日当日、ジャパンフレネは江ノ島遠足の帰り、地震に遭遇・・・。子ども達と大和市生涯教育センターに一泊した(詳細は、『おーい仲間たち』参照)。一泊だけでも大変だったのに、11日以降、避難所生活をしている皆さんの思い、お察しいたします。

 

さて、このような状況の中、一体ぼくに何ができるだろうか?

右手甲骨折の状況では肉体労働は、・・・。うーん、石巻、気仙沼の市役所に連絡を取ってみた。「避難所で授業をやらせていただけませんか」

連絡を取った段階では、衣食住がままならない状況が続いていた。しかも、現地に行こうにも交通網が遮断されている。授業以前の問題なのだ。そうこうしているうちに新学期・・・。

 

昨日の『おーい仲間たち』にも書いたが、プレゼンの授業。『大震災』をキーワードに、シンキングマップを作っていく。レヴェルが相当高いにも関わらず、小学生も含めて討論が成立することがわかった。

大地震・津波・被災地・原発問題・・・、考えなければいけない問題は、山ほどある。現地に行かなければ、見えない問題もある。しかし、同時に今ここにいてどんなふうに想像力をかき立てることができるかも問われる。

 

そこで『フラガール』だ。炭鉱閉山と大地震・大津波と次元は違うが、それに立ち向かう不屈の意思は同等だと思う。それを切り口に今回の『東日本大震災』を考えて行こうと思った。

 

今出来ること・すぐできること・ここでできること・・・、ぼくには『授業』しかない・・・。

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2011年4月9日(土)付 朝日新聞『天声人語』

 

 炭鉱住宅のつましい夕餉(ゆうげ)。フラダンサー募集の掲示に心が動く少女(蒼井優)を、母親(富司純子)がきつく諭す。「こっだ東北の田舎に、なじょしたらハワイなんかできっか」。映画「フラガール」の舞台は、1960年代の福島県いわき市だ▼斜陽の炭鉱は、温泉利用のレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」に地域の明日を託した。坑内員の娘らも踊りの練習に励むが、閉山近しを思わす新事業の準備は、何かと白眼視された▼東京から来たダンス講師が訴える。「この子たちはヤマを救うため、立派にプロのダンサーになりました」。こうした情熱が炭鉱街をまとめ、「東北のハワイ」は成功した。後身のスパリゾートハワイアンズは年150万人を集める▼そこを震災が襲い、50キロ先の原発事故が追い打ちをかけた。閉山時以上とされる危機を受け、休業中のフラガール約30人が近く、首都圏や東北各地を回るという。全国巡業は開業前の宣伝以来で、被災地の再生を誓い合うステージになる▼ボタ山を行楽地に変えたのは、このままでは家族も地域も沈むという危機感だった。今、石炭衰退に代わる試練は放射能の風評。毎度回されるエネルギー政策のツケに、福島の苦渋を思う▼震災の傷を埋めるには、産炭地興しの何倍かのパワーが要る。その源泉は家族愛や郷土愛だろうが、ダンスの先生にあたる「よそ者」も貴い。そして誰より、地域や国の将来が己の人生に重なる若い力。復興の最前列で踊った娘たちのように。

 

                                                 2011.04.15

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