デイリーフレネ

NO 1597 鳩間島 2011.11.24

朝日新聞夕刊に連載中のニッポン人脈記『親になる 子になる』(11)に鳩間島の通事さんが出ていた。ジャパンフレネの『飛ぶ教室』でここ11年、毎年お世話になっている。このことに関しては、『おーい!仲間たち』(11月21日)に書いた。http://jfreinet.flier.jp/nakama/

 

今から25年前、沖縄で最も観光客のいない島を探して、石垣から週2便のぽんぽん船『鹿島丸』に乗って島に渡った。生活物資を運ぶついでに乗せてやるといった感じの船で、床にござを敷いて2時間半・・・、島唯一の波止場についた。観光客はどこにもいない。舗装道路も自販機もない。お店は1件きり・・・。聞けば、電気や水道が島に来てからまだ間もないという。

 

かつてカツオ漁とカツオ節産業で700人以上が住んでいた鳩間島・・・。病院もあった(沖縄だけの特殊事情でかつて衛生兵だった方が開業できた)。小学校も中学校もあった。しかし、カツオ節産業の衰退と共に人々は、島を去る・・・。学校も廃校の危機に立つ。このころから里子を引き受け、学校を存続させようと島の人々は、血のにじむような努力を・・・。

この辺に関しては、『子乞い―沖縄離島の歳月』森口豁(凱風社)に詳しい。

※ マンガ『光の島』尾瀬あきら(小学館)は上記を原作としている。

 また、TVドラマ『瑠璃の島』も鳩間島を舞台にしている。

 

現在、島民は40名前後・・・。島はドラマの影響もあり、毎日高速船が運航されるようになった。観光客も多くなり、民宿も増え食堂もできた。しかし、里親世代も交代し、今、島には里親はいないという。島の小中学校の児童生徒は5名・・・。全て教職員の子どもだそうだ。

 

何が幸せで何が不幸せかわからない。小中学校には離島最後の新設体育館も落成している。島は、いたるところプライベートビーチ・・・。時間はゆっくりと流れていく。鳩間島はどうなっていくのだろうか・・・。竹富島がそうだったように観光に活路を見いだすのか、それとも・・・。幸福は何によって規定されるのか・・・、じっくりと考えてみる必要がある・・・。

※ 鳩間島での体験学習『飛ぶ教室』は毎年7月後半、『おーい!仲間たち』にアップされる。http://jfreinet.flier.jp/nakama/

※ ぼくと同じ頃から島に関わっている羽根田さんの『鳩間島通信』

http://www.media-paradigm.co.jp/~hatoma/

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