デイリーフレネ

NO 1564 教育研究集会にて 2010.02.16

先週の土曜日、横浜市教研(算数・数学分科会)に呼ばれ、30本のレポートにあれこれコメントしてきた。かつて横浜は民間教育運動の中で優れた実践がいくつも出てき、たくさん学ばせてもらった。
しかし、今やそれも昔・・・。


レポートの中に気になる文言が幾つかあった・・・。


● 算数では、問題解決を通して自分の意志や思考を伝えていく。(中略)
  「伝える」もととなるのは「わかる」ことである。問題の意味がわかる、解き方がわかる、答えが  わかる、自分にできないことがわかる。(後略)


わからなければ「伝える」ことができないのか?教材との対話により、なにかふしぎなうながしが現れ、それが他者の意見を「聴きたい」につながることもある。様々な障害を持つ子ども達にとって、「わかる」こと自体が困難なことが多々ある。弱者に対する視点がないと感じた。


● 基礎・基本とは学習指導要領が示す目標及び内容の全体を示している。

これまた無節操な文言だ。上記がそうだとすれば、そもそも基礎・基本を獲得すること自体が無理だと言うことになる。各教科の膨大な量の目標及び内容を獲得することなど土台無理だ。


算数・数学という教科の内容を吟味せず、自力解決を目指すことを目的にするレポートも多い。はたしてどれだけの大人が自力解決することができるのだろう。文部科学省が「総合的学習」といえばそれになびき、「自力解決」といえば、また、それになびく。教育実践をするときの初期設定(困ったときに立ち戻るポリシーや方法)が全くない教師が大多数と感じた。


最近の教研は、消耗戦との戦いでもある。


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