デイリーフレネ

NO 1592 『生命(いのち)』を想像→創造→送像・・・することの意味(3) 2011.10.14

PARAT2 情報を選択する・・・―『声』に耳を澄ます

 

 私たちの前には様々な情報が発信されてくる。その情報をどう受け止め(情報の発信源の立つ位置や状況を想像する)ていくかが問われてくる。情報が多ければ多いほど良いというわけではない。例えば、ツイッターなどで無作為に発信されてくる情報は、その処理だけで一苦労だ。問題は発信されてくる情報を現実に照らし合わせ『想像』し『創造』すること。そしてそのイメージを他者に伝えていくこと=『送像』・・・。

 

 今、この文章を書いているその矢先のツイッター情報・・・。

 

 東日本女子駅伝参加選手の多数は中学、高校生。最年少で13歳。東日本の中でも空間線量高い場所を選び、安全キャンペーンの為に、駅伝でハードに呼吸する乙女たちを被曝させる理由は何か?彼女たちを経済の生贄にする事は許さない。復興の邪魔をするな?本物の復興の邪魔を冷静に見つめる必要あり。

                   (@yamamototarou0 山本太郎俳優)

 

 このツイートを想像し、現実に照らし合わせイメージできたならば送像していけばいい。つまり、リツイートあるいは、拡散・・・。しかし、@yamamototarou0 は、この情報をどこで受け取り、どう想像し創造したのだろうか?

 

 最近、新聞記事で注目しているのは、読者の投稿欄だ。老いも若きも右も左も、そして富める者もそうでない者も・・・、様々な声を聴くことができる。肝心なのは聞くだけでなく想像し、自己の問題に引きつけることだ。

 

『低所得者に気配りした政治を』

      主婦 後平真紀子(千葉県野田市 48)

 野田佳彦首相は民主党代表選で、総選挙落選後の約4年間は経済的につらかったと話していました。

 わが家は、牧師の夫と8歳、5歳の子どもの4人家族です。夫の学習塾や新聞配達のアルバイトなどもあってやっと暮らしています。地域では、同じような低所得者からよく生活相談を受けますが、そうした家庭では子ども手当を当てにしているのが現状で、年齢によって減額されることになったのは残念です。再検討してほしいと思います。

 わが家でも子ども手当が入る前の週は、現金が全くなくてスーパーの500円の商品券だけが頼りでした。事前に買うものをリストアップして出かけたのですが、いつもはおねだりしない5歳の娘がその日に限って、ウズラの卵の串フライが食べたいと言って泣き出しました。思い切って100円のウズラの串フライを1本買いました。昼食での娘のうれしそうな笑顔が忘れられません。

                 (朝日新聞『声』2011年09月14日 )

 

 野田首相は、この『声』に耳を澄ませただろうか・・・?子ども手当とか児童手当など政党のメンツをかけた言葉尻の問題ではない。マニュフェストとか金のばら撒きという問題でもない。子ども手当を切望している家庭があるということを想像できるのか、そしてそれらの家庭の諸問題を解決していくための具体的創造をどう打ち立てていくのか・・・。

 

 たかが100円、されど100円のウズラの串フライ・・・。女の子のうれしそうな笑顔を想像できるか?どうしてもウズラの串フライを食べたい気持ちが理解できるか?想像できるか?

 

 人の幸せはそれぞれ違う。国民総生産が上昇し給料が上がればみんな幸せになるとは限らない。また逆に、分相応の幸せを目指せということもおかしな話だ。それにしても100円のウズラの串フライを迷うことなく買うことができる程度に庶民の生活を安定させて欲しい。いつまでも庶民は黙っていない。『声』欄の投稿は、ささやかな願いであるが、それがいつ貧民層によるウォール街のデモにつながるのか・・・、今こそ政治の『創造』と『送像』が問われている。

                                                       (続く)

 

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